建設経済委員会で空家問題を調査研究

カテゴリー │議会活動

空き家問題を調査研究
 建設経済委員会では今年度の所管事務調査のテーマを「空き家問題」と定め、調査研究をすすめています。今後、1月に開催予定の議会報告会で中間報告を、年度末までに市への提言をまとめる予定です。この間の取り組みを報告します。
顕在化する空き家問題
 近年、高齢化や人口減少、住宅の老朽化、生活様式の変化などにより、空き家等の数が全国的に増加、総務省統計局の住宅・土地統計調査によると平成25年の全国の空き家は約820万戸、全戸数の13.5%にも上り、個人所有の「空き家」だけ見ても318万戸、10年前の1.5倍に増加しています。このままだと2028年の空き家率は23.7%になるという試算もあります。空き家の中には、適切に管理されず放置されているものも多く、地域では安全性や衛生上、景観を阻害するなどの問題を生じています。
国の動向は
 平成26年11月に「空家等対策推進に関する特別措置法」を公布、国の考え方が示されました。さらに、平成27年2月には総務省及び国土交通省から空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための「基本指針」が定められました。また、平成28年3月には今後10年間の住宅政策の指針となる「住生活基本計画」見直しが行われました。
袋井市の空き家の状況は
 平成25年度統計調査では、住宅総数36,250戸、居住世帯総数30,190戸、空家総数5,970戸、空家率は16.5%(持家空家割合4.9%、借家空家割合11.5%)となっています。
 さらに、平成27年度の自治会に依頼し、一戸建ての空き家の実態調査を実施。それをもとに市で簡易調査を実施しました。結果は空き家数は766戸、内訳は管理が行き届いている空き家561戸、管理が行き届いていない空き家141戸、危険な空き家44戸となりました。
建設経済委員会で危険な空き家の現場視察を実施
10月24日午前、委員と担当課職員などで市内11カ所の空き家を視察。すでに朽ち果てているもの、草木に覆われているもの、倒壊すれば隣家に被害を及ぼす恐れのあるものなどの存在を確認しました。今後管理されない空き家が増加し危険な空き家が更に増えることが予測されます。
掛川市・磐田市の取り組みを研修
10月24日午後、掛川市と磐田市を訪問。担当課から取り組み状況の聞き取りを行いました。
市民との協働で空き家対策を推進 掛川市
掛川市では国の「特措法」施行する前の平成26年4月に「掛川市空家等の適正管理に関する条例」を施行、さらに平成29年8月には「掛川市空家等対策計画」を策定しました。掛川市は、空家対策を人口減少・都市縮小時代の「まちづくりマネジメント」(官民共同による包括的な施策として実施)として捉え、空家問題を地区・地域の魅力に変え、価値を向上させる取り組みを推進するとしています。
 掛川市では、空き家の状態に応じて①流通空き家②非流通空き家③特定空家等④自然空き家の4つに分類、施策の対象を非流通空き家、特定空家等に絞っています。
 「新たな公共論」を軸に行政・民間・市民の協働により空家等を活用したマネジメントの実施を推進するため、「タスクフォース」(民間専門家組織)の活用を図るとしています。
 具体的な実施はこれからですが、弁護士や設計士、測量や不動産など専門家による協議会をすでに立ち上げました。
解体、リフォームに助成制度設置 磐田市
 磐田市では、平成29年4月に「磐田市危険空き家判定基準」を策定。「特定空家」に該当するものを対象に上限50万円の「解体費用助成制度」を設けました。半年で事前判定件数74件、申請件数は8件の実績がありました。また、子育て世帯の移住を促進するため「中古住宅リフォーム事業費助成制度」を平成28年度から設けました。市外からの転居には50万円、子ども一人当たり20万円などの補助基準額があり、上限は100万円です。平成28年度30件、平成29年度は9月までに14件の利用がありました。
 また、磐田市はシルバー人材センターと「空き家等の適正な管理の推進に関する協定書」を交わし、平成28年度には54件の実績がありました。
建設経済委員会で空き家対策推進研修会を開催
10月25日、国土交通省中部地方整備局建政部職員に講師を依頼し、空き家対策特別措置法の解説と全国の自治体の空き家対策の取り組み事例を学ぶ研修会を開催しました。
「特措法」には空家の定義、代執行など空家等への具体的措置、罰則、空家等対策計画を定めること、計画策定・実施に関する協議会設置などが規定されています。
すでに全国の自治体の21%が策定済み、64%が策定予定となっています。また全国の自治体で独自の補助制度を設けるなどし、対策を実施しており、その事例の紹介もありました。



同じカテゴリー(議会活動)の記事

 
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
建設経済委員会で空家問題を調査研究
    コメント(0)