2016年02月25日05:18
評論家樋口恵子氏の講演を聞く。≫
カテゴリー │袋井社会福祉協議会
2月20日、第11回袋井市社会福祉大会が中央公民館で開催されました。第一部では福祉事業に功績のあった方々の表彰、感謝状の授与などが行われ、第二部では、評論家樋口恵子氏の講演が行われました。
講演のタイトルは「人生100年、すべての世代に居場所と出番」。初め現在に安保法制にヒヤヒヤしている。日本が世界で1番という長寿国となったのは戦後70年という平和があったからこそ。終戦時は13歳だった。国民学校6年生だった時、疎開から帰って3.11の東京大空襲も経験した。先の戦争で2000万人が死に、昭和20年の1年間だけで300万人が死んでいる。
今の日本は素晴らしい国。平均寿命は世界一、高齢化のスピードも世界一。現在65歳以上が国民全体の26%、75歳以上は12%を占めているが数年で75歳以上が多くなる。75歳で医療制度が変わるのは疾病構造が変わるから。
私は娘と2人暮らし。高級有料老人ホームに入所するつもりだったが、耐震診断結果を見て家を建て直すことにした。在宅で死んでいくしかない。今は少子化の結果、兄弟がすくなく、中年の独身者も増え、親の介護で大企業の管理職でさえ、介護離職をせざるをえない人がたくさんでてきている。高齢者夫婦、独居老人だけでなく、親と子の二人暮らしというのも増えている。
日産や生保など大手企業が、女性の活躍を進めているのは、世界の常識と比べておかしいと感じているから。男と女では考え方が違う。年齢によっても違う。違いがあって当然。多様性を大事にしないと進歩はない。
日本社会もあらゆる人の居場所・出番を考える必要がある。人生65年から人生90年の時代へ。あらゆる人が支える側に回らなければならない。介護保険創設の狙いは家族の介護負担の軽減で嘘はない。家族の介護で支える時代には引き戻せない。親2人に子が5人の人口増加社会が3世代続き、誰か一人は介護に回れた。それが1世代で急激に変化した。30年後には4親等の親族がいない人が1割も占めることになる。社会全体で支えることが必要な時代となった。老いは弱者に変容し、それを受け入れるしかない。ケアされ上手、介護され上手になること。サービスの受け渡しを社会全体で向き合うことを考えるべき。高齢化で限界集落は潰れない。家を出た子が支え、地域住民で支え合う、そんな仕組みを発明するしかない。
最後に、世代の責任として戦争の悲惨さを記録し次の世代に伝える責任があるとして、中国から引き揚げ当時の女性の体験を本にした。女性は愛がなくても妊娠するという性がある。女性が平和を語らなくては、と結んだ。
樋口氏は現在83歳、現在もNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長、東京家政大学名誉教授、「女性と仕事の未来館」初代館長を務めるなど様々な重責を担っています。講演は原稿なし言葉もよどみなく滔々と、予定を超え2時間も立ちっぱなし、その凛とした姿は聴衆を圧倒。時間も短く感じるほど素晴らしい講演でした。
今の日本は素晴らしい国。平均寿命は世界一、高齢化のスピードも世界一。現在65歳以上が国民全体の26%、75歳以上は12%を占めているが数年で75歳以上が多くなる。75歳で医療制度が変わるのは疾病構造が変わるから。
私は娘と2人暮らし。高級有料老人ホームに入所するつもりだったが、耐震診断結果を見て家を建て直すことにした。在宅で死んでいくしかない。今は少子化の結果、兄弟がすくなく、中年の独身者も増え、親の介護で大企業の管理職でさえ、介護離職をせざるをえない人がたくさんでてきている。高齢者夫婦、独居老人だけでなく、親と子の二人暮らしというのも増えている。
日産や生保など大手企業が、女性の活躍を進めているのは、世界の常識と比べておかしいと感じているから。男と女では考え方が違う。年齢によっても違う。違いがあって当然。多様性を大事にしないと進歩はない。
日本社会もあらゆる人の居場所・出番を考える必要がある。人生65年から人生90年の時代へ。あらゆる人が支える側に回らなければならない。介護保険創設の狙いは家族の介護負担の軽減で嘘はない。家族の介護で支える時代には引き戻せない。親2人に子が5人の人口増加社会が3世代続き、誰か一人は介護に回れた。それが1世代で急激に変化した。30年後には4親等の親族がいない人が1割も占めることになる。社会全体で支えることが必要な時代となった。老いは弱者に変容し、それを受け入れるしかない。ケアされ上手、介護され上手になること。サービスの受け渡しを社会全体で向き合うことを考えるべき。高齢化で限界集落は潰れない。家を出た子が支え、地域住民で支え合う、そんな仕組みを発明するしかない。
最後に、世代の責任として戦争の悲惨さを記録し次の世代に伝える責任があるとして、中国から引き揚げ当時の女性の体験を本にした。女性は愛がなくても妊娠するという性がある。女性が平和を語らなくては、と結んだ。
樋口氏は現在83歳、現在もNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長、東京家政大学名誉教授、「女性と仕事の未来館」初代館長を務めるなど様々な重責を担っています。講演は原稿なし言葉もよどみなく滔々と、予定を超え2時間も立ちっぱなし、その凛とした姿は聴衆を圧倒。時間も短く感じるほど素晴らしい講演でした。
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。