議員定数削減案を否決、袋井市議会

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議員定数削減(案)を否決
 12月17日、市議会11月定例会最終日に、会派緑風会が提出の「議員定数を20名から2名削減し18名とする」条例改正案の採決を行い、自民・公明、共産党の反対多数で否決しました。
緑風会の提案理由は議会の使命・責任を軽視
 緑風会の主張は、⓵厳しい財政状況・経済状況のもと、議員も身を切る改革が必要②磐田市、掛川市と比べ議員が多い➂議員と自治会、コミセン等との役割分担を明確化する④現状の一人欠員でも問題がないというもので、どれも議会の役割・責任を理解していない暴論です。
議案の提出には瑕疵がある
 定数論議は市民も含めた幅広い論議が必要

 平成27年制定の市議会基本条例には議員定数について、「議会の権能を果たすことを基本」とし、「改正にあたっては市政の現状と課題、今後の予測等を考慮し、市民の意見を反映して決定する」となっています。緑風会は提案に当たって、そうしたことを議員相互に十分検討をしたこともなく、会派として市民の意見を聞いたこともありません。市議会で今年実施した市民アンケートの回答「増やすべき」3%「現状維持」49%と相反します。
なぜこの時期に提出したのか
 政治的パフォーマンスが目的

 市選挙管理委員会は、次期市議会議員選挙を「4月11日告示、18日投票、選挙する定数は20人」と決定、12月1日に報道発表しました。
 緑風会(前身の自由21)会派は、これまでも改選が迫ってくるたびに3度続けて同様の定数削減案を提出しています、本来あるべき姿は、議会の中で十分議論を進めるべきで、その場もあったにもかかわらず、それを避けて提出するのは、政治的パフォーマンスが目的としか思えません。

袋井市の議員定数は決して多くない
 人口同規模自治体の平均は20.9人

 磐田市は人口17万人で定数26、掛川市は11万7千人で21人です。それを単純に比較し議員定数が多いとして削減すれば際限がありません。比較するとしたら同規模の類似団体の数字です。削減ありきの理由付けでしかありません。
「議員自ら身を切る覚悟が必要」との意見は暴論 
 「議会の役割をどう果たすのか」で議論すべき

 議会・議員の役割は、多様な市民の意見を的確に把握し市政に反映すること、適正に姿勢が運営されているかチェックする役割を担っています。首長と対峙するには人数が重要な力となります。
議会は議論する場です。議会専門家は「1常任委員会で7人以上必要」としており、それが地方議会の通説となっています。袋井市議会は3常任委員会で21人必要となり、現行20人では足りません。

「欠員があっても問題はなかった」
     検証もなく、おごり以外のなんでもない

 議会活動を謙虚にみることが必要です。今の議会は以前のように緊張感もなく、議員がチェック機能を十分果たしているか疑問です。市民アンケートを見ると、「議会に対する評価」は「あまり評価しない」22%、「全く評価しない」5%と大変厳しいものがあります。これは議員が市政のチェックや市民の声の反映、情報の提供の役割を立たしていない表れです。議員を減らせば議会活動が後退し、更に深刻になります。現在でも人材が足りず、議会の役職を兼務しているのが実状です。
議会のなり手不足の解消・人材育成に逆行
     女性や若者・志あるものに挑戦の機会を

 議員はそれぞれの地域、階層から選ばれ、それぞれ専門性を持ち、多様な民意、意見を汲み取ることができます。袋井市議会では現在、女性は2人、60歳以下の議員は3人と各階層を代表していません。また度重なる定数削減で当選ラインが上昇し、人口の少ない地域は議員を出せない状況となり、そのことが議員の新陳代謝が進まない要因に。更にハードルを上げれば志あるものの挑戦の機会を奪い、議会活性化に逆行することになります。



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