学費値上げを止めるための緊急の予算措置を求めます。

みひろ

2024年12月14日 19:54

2024年11月27日発表日本共産党の政府への要請文の紹介
 みなさん。先の総選挙では主要政党すべてが高等教育の「無償化」「負担軽減」などを公約に掲げ、石破首相も自民党総裁選で「国立大学・高専の無償化」を公約しました。
ところが、9月に東京大学が、学生や大学人の反対の声を押し切って学費値上げを発表しました。東京大学が来年度からの値上げを発表したことで、国立大学での値上げ連鎖が起きかねない状況です。さらに私立大学でもこの間、早稲田大学、慶応大学、明治大学、立命館大学、同志社大学などで値上げが相次ぎ、物価高騰のもとで大幅値上げや学費スライド制の適用など、値上げが加速しています。
 みなさん。高すぎる学費が、これ以上値上げされれば、学生も家族も、その負担に耐え切れないことは明らかです。今でさえ、アルバイトと奨学金や教育ローンの謝金なしには大学に通えない学生が多数です。学生、国民の多くが高い学費、重い教育費負担に苦しみ、政治の場ではすべての主要政党が高等教育の「無償化」「負担軽減」を国民に約束しているのに、実際には国立大学でも私立大学でも「学費値上げラッシュ」が起きようとしている、こんなことは異常と言わざるを得ません。みなさん。政治が看過してよいのかが問われています。
 みなさん。日本の高等教育予算はOECD(経済協力開発機構)の中でも「最低水準」という状態が長期にわたって続いています。しかも政府は、2004年の国立大学法人化後、1600億円も運営交付金を削減しました。私立大学への私学助成は経常費の1割以下に抑制されたままとなっています。その結果、大学は物価高騰を含め、教育コストの増額などから財政難にあえいでいます。
みなさん。政治によってもたらされた財政難による教育研究費の劣悪化は、日本の大学教育、学術にとって深刻な事態であり、学費値上げの原因となっています。しかし、これを「理由」に「大学の国際競争力強化のため」などと言って、学費値上げを学生と家族に押し付けることは許されません。何よりも問われているのは政治のお責任ではないでしょうか。
 みなさん。現状でも、高い学費のもとで「バイト漬けの学生生活」が当たり前のようになり、奨学金という名の借金が、平均でも300万円、大学院に進学すると500万円とも1,000万円とも言われるほど背負わされています。学費値上げを押し付ければ、「大学の国際競争力強化」どころか、逆に、日本の大学教育、学術研究、科学技術の将来は暗澹たるものになってしまいます政治の責任で学費値上げを回避する措置をとるべきです。
 みなさん。緊急の手建てには大きな予算は必要ありません。1000億円程度で、国公私立大学、専門学校の来年度の値上げを回避することができます。これは政府がこれまでに削減した国立大学運営交付金1600億円のほんの少しを戻すだけです。
 みなさん。学費値上ではなく、高等教育の無償化こそ求められています。日本政府は、2012年に国際人権規約の高等教育無償化条項について留保を撤回し、高等教育を斬新的に無償化することを国民と国際社会に公約しました。しかし、その後、そのための具体的な取り組みは議論もされず、10年以上も「放置」されています。
 そもそも憲法は、教育の機会均等を定めており、それを国民に保障するのが政治の責任ではないですか。日本共産党右は、政府に値上げではなく、値下げに向けて踏みだし、高等教育の斬新的無償化を進めることを求めます。


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