2014年05月12日 19:59
PFIの導入検討には疑問がいっぱい
5月7日市議会全員協議会が開催されました。議事は「袋井市のPFI導入についての基本的考え方について」の報告事項1件でした。
PFIはPrivate-Finance-Initiativeの略で、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行なう手法です。要は指定管理や民営化は管理から民間に委ねるのに対して、PFIは資金の調達、設計・建設の段階から一切を民間に委ねてしまおうというもので、自治体の仕事の公共性が更に曖昧となり、自治体が自治体でなくなる危険性を孕んでいます。
市は、PFI導入で次のような効果を期待するとしています。①市民は、低廉かつ良質なサービスが受けることができる。②民間事業者は、地域での事業機会や雇用を創出することができる。③地方自治体は、財政負担の削減や支出を平準化できる。こうしたメリットだけでなくリスクもたくさんあります。
「市民ニーズの反映」はできるのか。逆に、整備から運営まで一貫して民間事業者に委ねることとなり、住民や利用者の要望が反映されなくなります。(これは指定管理者制度でも実証済み)計画・設計や運営段階における住民参加の道が閉ざされます。
「官民のパートナーシップの形成」といいますが民とは市民ではなく、民間企業、それも袋井市一自治体をだけでなく日本全国を相手にするような規模となる大企業であり、本当にパートナーシップといえるのか疑問です。
「地域経済の活性化」につながるとしていますが、PFIは競争原理が基本であり、ほとんどゼネコンが受注し、地元企業は下請け孫請けとなりコスト削減を迫られ、管理もゼネコンの子会社となる。非正規化・官製ワーキングプアを更に助長し、地域経済の活性化にはまったくつながりません。
私の基本的立場はPFI導入に反対です。
安倍政権の経済対策「アベノミクス」の柱として公務の市場化が強く打ち出されました。それを進めているのは「産業競争力会議」という経済界の代表が占めている諮問機関です。基本的考え方は新自由主義(民間にできることはできる限り民間に委ねる小さな政府の考え方)でPFI導入は民営化・指定管理者を更に進め、公共事業・維持管理まで一貫した民間資本の参入が意図されたものです。PFI導入により公共事業の公共性があいまいとなり、公共事業がより民間企業の営利追求目的の事業に変質することになるからです。市は、新総合体育館の建設を機に、PFI導入について研究を進めるとしていますが、市に専門的な職員はおらず、とかくアドバイザー頼みとなってしまいます。慎重のうえにも慎重を期しての検討を求めたいと思います。